最終兵器彼女

主人公のシュウジとちせは、普通の高校生。でもある日、ちせは最終兵器となってしまう。という、あらすじを簡単に書くと「なんだそれ?」となる物語なのだけれど、表現の仕方や物語の作り方が魅力的すぎて、ぐんぐん惹きつけられます。

主人公はどこまでも普通の、当たり前な高校生で、シュウジはちせの身の回りで起こっている戦争の詳しいことをまったく知らないし、守ろうとして戦争に出て行く、なんてこともない。普通の高校生として、普通の行動しかとらないし、とれない。

それとは反対に、兵器として戦争に出て行くことになったちせは、シュウジとシュウジとちせがいた町だけは守ろうとします。でもそれは漫画の中で主に描写される、なんてこともなく。どこまでも「自分」と「周り」という、漠然とした普通の高校生のまま。

だから、この物語のなかでは「戦争」が少しだけ漠然としていて、でもだからこそなにもわからずただ戦争に振り回されるシュウジとちせの高校生たちという構図が生きている気がします。

そして、私がこの漫画の中で一番好きなのが、描写の仕方だったりします。

これはもうぜひ読んで実感して欲しいのですが、コマや魅せ方、台詞の描き方など、様々な要素が全部ちせとシュウジの感情にぴったり当てはまっていて、こちらも知らず知らずのうちに感情移入してしまいます。

伏線も多いので、二度でも三度でも読めます。ぜひ読んで欲しい名作だと思います。

一度読んだら、また繰り返し読みたくなるんじゃないかな。

性描写がまあまああるので、苦手な方には勧めませんが、性描写に比重をかけているわけではないので、青年誌で連載されていたものに慣れている方なら苦なく読めると思います。おすすめです。