西原理恵子作『パーマネント野ばら』

一番好きな漫画は何?と尋ねられたらこの作品をあげるくらい好きな漫画です。西原理恵子さんの作品はエッセイ漫画が多いのですが、創作漫画も良作があります。『ぼくんち』と舞台が似ていますが、ご自身の生まれ育った環境がそのまま描かれているようです。

『パーマネント野ばら』は子持ちシングルマザーの主人公とその周囲の女性の悲喜こもごもを描いた漫画です。いつも男に泣かされながらもたくましく生きている女性がたくさん出てきます。そして、そのたくましさが本当にすごいの一言。そんな女性と対峙する男性も豪快です。

例えば、主人公の幼馴染でフィリピンパブを経営しているみっちゃんは、ラブホテルから浮気相手の女と出てきた旦那を車で轢いてしまいます。そして、入院先で旦那が言った言葉が拍手付きで「お見事、さすがワシの嫁さんじゃー」との事。並みの人間には言えません。こんなエピソードが西原さんの独特な絵で描かれています。

正直、絵はヘタウマなので好き嫌い分かれると思いますが、そこは我慢してでもぜひ読んでほしい一冊です。あと、下品な下ネタも多いので、これまた嫌になる人も多いかも。いやしかし、欠点は多くてもそれを補うくらい深いお話しなので、ぜひ。

落語は人間の業を肯定するもの、とたしか談志さんがおっしゃっていましたが、このお話しも人間の愚かしい業を肯定してくれるようなお話しだと思います。女性の強さと脆さがはっきり描かれすぎていて、男性はちょっとひくかも。でもそんな女性を受け止めるくらい器の大きい男が私の理想です。いや、ちょっとハードル高すぎかな。