作者自身が岩手県衣川村で生活した際の実体験を元にして描かれています。
都会生活で生活することに挫折して、故郷の“小森”という東北の集落に帰ってきた主人公いち子。
いちこは大自然の中で自ら農作業に励み、収穫した四季折々の旬の食材を使って食事を作ります。
そんな彼女が生きるために食べ、食べるために自分で作る生活をしながら、自分の人生を見つめなおしていくお話です。
作中のいち子は手間ひまかけて食事を作ります。
食事に辿りつくまでには、下ごしらえ、その前に加工、その前に収穫、お世話、種まき、畑の土作りの過程を経ています。
畑にまく種は昨年に収穫された作物からの恩恵です。
そうやって、ようやくたどりついたひとくちには、ほんとうのおいしさと恵みが満ちているのです。
どんなことも“知っている”じゃなくて実際やってみて感じて考えるからこそ重みがででてくるのだ、と素直に感じました。
頭では分かっていても、知識として得ていても、実際にやってみないと分からない苦労や気づきがたくさんあるはずです。
ひとつの食事の奥には、お米を作る人、野菜を育てる人、鶏を育てる人、そしてそれを殺し捌く人がいて、そしてそれらは人の手だけじゃなく、大自然の恵みと厳しさがあってこそ育まれるものなんだと、この漫画を読んで改めて気づかされました。
都会に住んでいると、あたりまえの事なのに、なかなか気づけないことを気付かせてくれる漫画です。
一話完結型の漫画ですので、気軽に読めますし、各話で作るいち子の料理はどれも美味しそうで必見です!