今読んでも笑える昭和の爆笑少女漫画

甘い切ない恋や、夢の中のような不思議なファンタジーの世界、夏になれば恐怖漫画特集などに、私の心は常に鷲掴みにされていました。
一コマ一コマに描かれた繊細な線の絵はページをめくるたびにときめきを呼び、夢見心地にさせました。

当時は少女漫画にどっぷり肩まで使っていたので、少年漫画のような荒々しいタッチの絵がとても苦手で、数作品程度しか読んだ記憶がありません。
そんな私に、ある時転換期が訪れたのです。
その作品を読んだときは新たな自分が解放されたような、不思議な気分でした。

「ああ、私にもこういう作品を楽しめる感性があるのだな」と気づいたのです。
その漫画は少女漫画雑誌リボンで連載されていた、「お父さんは心配性」です。

奥様に先立たれた父の佐々木光太郎は年頃の娘の典子を心配するあまり、膨れ上がる妄想を止められずに常識はずれなヘンタイ行動に出てしまうのです。
可愛い娘のボーイフレンドの北野が典子とともに、光太郎のヘンタイ行動に巻き添えを食うのですが、巻き込まれていくうちに段々と光太郎こと、パピィと気が合うようになり、徐々に彼自身のヘンタイの才能を磨いていきます。

まだ若い北野は、きっと大人になって自分に娘ができたころには、光太郎と同じような行動に出るのではないかという期待がやんわりと織り込まれています。
スピード感とギャグのキレがとてもいいので、大笑いできるのにくどくないという大変おいしく仕上がった作品です。
笑いながらページをめくると、更に笑わされて腹筋が崩壊寸前に追い込まれてしまいます。

さらりと読めるのに、腹を抱えてしまうくらい笑えるという、大変珍しい少女漫画です。
娘の典子をあらゆる敵(?)から救うため、パピィは耳や鼻から血を吹き出したり、女装したり、喉から手を出したりしながら奮闘するという、実はちょっぴり心温まるストーリーなのです。

そんなパピィが時折見せる照れた表情は読んでいるこちらもどこかくすぐったく、典子への愛情を感じさせました。
ハイテンションなお騒がせヘンタイパピィは大分大人になってしまった今の私でも大爆笑させてくれる、素敵なお父さんです。